業務拡大に向けIPOを実施
出資・投資を通じた成長支援も
他のコンサルティングファームでも、プロレド・パートナーズのように成果報酬型のビジネスモデルにチャレンジした例はあるが、必ずしもうまくいっていないようだ。具体的に成果をどう測定・評価するか。そこにクライアントとの認識の齟齬が生じるからだ。加えて、プロジェクトの期間や規模があらかじめ定まっていないことが、コンサルティングファームにとって大きな壁となる。
「同じようなプロジェクトを10回以上経験しないと、わからないことも多い。成果の測定・評価について、我々はクライアントとの契約書を何百回も見直すなどして、成果報酬の体系を完成形に近づけてきました。後発で参入しようとしてもそう簡単にはいかないと思います」
プロジェクトの成果を毎回測定・評価されることで、プロレド・パートナーズは成功要因、失敗の原因をみずからレビューすることになる。それをプロジェクトメンバーが共有しながら、数多くのプロジェクトを経験する過程は、PDCAサイクルを回しながらコンサルティングの精度を高めるプロセスとなっている。このプロセスを通じて、コンサルタント個人も、組織全体としても学習速度が飛躍的に高まっている。
プロレド・パートナーズでは、マーケティング、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)、間接材コストマネジメントなどのサービスラインごとに組織を編成している。同一のサービスについての知見は、どのような業界にも幅広く適用できるので、クライアントは急増している。多くのクライアントに精度の高いコンサルティングを提供できるようになったことで、利益率も急速に高まっており、今期の営業利益率は40%近くに達する見込みだ。
また、成果報酬型のコンサルティングを通じて高い顧客満足と自分自身の成長を実感できることから、コンサルタントの離職率は他のコンサルティング会社と比較しても極端に低い。新卒入社で三年以内に離職したのは過去に一人だけ。それも転職ではなく、起業を理由としたものだった。
プロレド・パートナーズは今年7月、IPOを実施した。その狙いは、冒頭に挙げたインベストメント型コンサルティングファームのさらなる追求である。
「PE(プライベート・エクイティ)ファンドが企業に投資する際、デューデリジェンスや投資後のバリューアップのために我々がパートナーとして組むことも多く、日本で活動しているPEファンドの半数以上と取引があります。そうした経験を生かしながら、今後は我々自身がクライアントに投資を行い、コンサルタントとして成長や利益拡大を支援していきたいと考えています」
たとえば、技術はあっても設備機器やITシステムなどに投資ができないために成長が滞っている企業があれば、プロレド・パートナーズが投資した資金を設備投資に充ててもらい、クライアントと一緒になって顧客開拓やBPRを実行していくというモデルだ。
もう一つ、佐谷氏が見据えるのは海外市場だ。
「アジアを中心とした新興国でも今後はコンサルティングニーズが増えていくはずです。日本企業の海外現地法人を足掛かりとして、海外展開を加速させていきます。成果報酬型のビジネスモデルは海外でも競合がいないので、新しい需要を積極的に取り込みたいと考えています」
その進化が大いに注目される。
株式会社プロレド・パートナーズ
〒105-0012 東京都港区芝大門1-10-11 芝大門センタービル4F
TEL:03-6435-6581
https://www.prored-p.com
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