日本を代表する企業のCFOが一堂に集うイベント、「CFO VISION 2018」(デロイト トーマツ グループ主催)が8月30日、帝国ホテル東京で開催され、126社・175人が参加した。6回目となる今年のテーマは「Inclusive Growth」。グローバル企業の経営者の間では、企業の持続的成長のためには、社会に幅広く利益をもたらす包括的な成長へのコミットメントが不可欠との認識が高まっている。そうしたなか、CFOが果たすべき役割について意見を交わした。

 本年のテーマとなった「Inclusive Growth」(インクルーシブ・グロース:包括的な成長)とは、環境破壊や貧富の格差など経済成長が社会に及ぼす負の影響が問題視されるなかで、成長の恩恵を誰もが共有できる社会を目指すことが持続的成長につながるという概念だ。

デロイト トーマツ グループCEO
永田高士氏

 開会の挨拶に立ったデロイト トーマツ グループCEOの永田高士氏は、「欧米のグローバル企業では、社会的課題への取り組みをコストではなく、最終的には自分たちの利益に貢献する投資と考えて、積極的に取り組む事例も増えている。持続的成長には、インクルーシブな成長へのコミットメントが戦略的にも重要だ」と訴えた。

 デロイト トーマツ グループは今年、創立50周年を迎えた。「我々にとって重要な節目となるタイミングで、社会との共生をテーマに日本を代表する企業のCFOのみなさんと議論できることは大変光栄だ」と結んだ。