P&G出身のバーグが
なぜ老舗のCEOになったのか

 筆者、チップ・バーグはブランドを専門としてきた人間だ。それまで、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のブランド管理部門で28年間、働いてきた。

 P&Gがカミソリ製造のジレットを570億ドルで買収した際にはその統合を指揮し、その後、6年間はジレット(P&Gの最も収益性の高い部門の一つ)の責任者を務めた。注目度の高い任務だったので、CEOへの引き合いも舞い込み始めたが、そのほとんどはあまり関心の持てない話だった。

 転機となったのは2010年。経営陣の集まる四半期ごとの会議に出席するために、北京のホテルにいた。そこで、知り合いのヘッドハンターから電話が入った。「きっと興味を持っていただけるお話があるんですよ」