ランキングの変動は限定的だが……
激動の時代では、堅実さと安定性が極めて大きな美徳となる。これらは、HBRの「[2018年版]世界のCEOベスト100」にランクインした100人に、はっきりと見られる性質だ。
彼らは、抜け目のない競合他社、要求の厳しい顧客、利益にうるさい投資家、政治的・経済的な逆風といった、さまざまな外的圧力に直面している。にもかかわらず、彼らの会社は勢いを維持するための並外れた能力を示しており、昨年のランキングに挙がった経営者100人のうちの70人が、優れた業績によって今年も栄誉に輝いた。特に、スペインのファストファッションの巨人、インディテックスのパブロ・イスラは、昨年に引き続き1位の座を守っている。
この安定した順位は、揺るぎないリーダーシップだけでなく、HBRによる業績測定手法によるものだ。日々の株価や四半期の業績に悩まされがちなビジネスの世界において、本誌のランキングは長期的視野、すなわち各CEOの就任期間全体にわたる財務利益を主な根拠として策定している。さらに、ここに挙がっているCEOは成功を収めているため、長きにわたってその任に就いている(このリストに登場するCEOの在職期間は平均16年。2017年のS&P500企業のCEOの在職期間は平均7.2年なので、対照的である)。