必要なのはPoCではなく、
価値創出のPoVへの挑戦
デジタル技術を活用した人財マネジメントシステムの開発は、どういうステップで進めればいいのですか。
冒頭申し上げたように、まず経営層や人事部門がデジタルリテラシーを高めること。そして、自社が将来どうなっているべきかというゴールを定め、そこから逆算して「適財」「適所」「適時」「適量」の4つの最適化をデジタル技術を活用して具現化していくこと。ここまでは、反対する人は誰もいないと思います。
つまり、コンセプトはもうわかっているわけですから、一般的なAIシステム開発などでよく行われるPoC(Proof of Concept=概念実証)は必要ないと考えています。人財マネジメント領域におけるAI/コグニティブの適用に必要なのは、デジタル技術でどこまで最適化を進め、価値を創出できるかというPoV(Proof of Value=価値実証)に取り組むことです。
すでに日本においても先行事例が生まれていますし、人的課題に対してデジタル技術をどのように活用すべきかも整理されています。それらを活かせば、「後発の利」を得ることができますから、いまからでも決して遅くはありません。
ただ、他社の成功事例がそのまま自社に当てはまるわけではありませんから、その事例が成立した条件は何か、自社が学ぶべきポイントはどこかを精査する必要があります。そのうえで、あとはPoVへのチャレンジのみです。失敗も経験するでしょうが、そこから人もAIも学習して、進化するのです。
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