企業文化の重要性を
リーダーは認識しているが……
適切な人材を雇用する、戦略を設定するといった、ビジネスリーダーがなすべき他の責務と比較すると、企業文化の変革ははるかに困難な仕事かもしれない。企業文化には明確な形はないし、何らかの方向に直接舵を切るようなレバーもない。
CEOたちは、以前よりもリーダーシップのこの側面を重要度が高いと考えているようだ。調査・アドバイザリー企業のガートナーによれば、2016年に決算報告の電話会議中にCEOが企業文化に言及した割合は、2010年に比べて7%上昇した。
CEOおよびCHRO(最高人事責任者)を対象とした調査では、人材管理にとって最優先されるべきは「企業文化の扱いと強化」であるとされた。ところがデータからは、さらに大きな改善余地が見えてきた。企業は毎年、従業員1人に平均2200ドルをかけて企業文化の改善に取り組んでいる(資金の多くはコンサルティング、調査、ワークショップなどに使われる)。しかし、そうした投資の効果が十分だと考えるCHROは、30%しかいないのだ。