AI導入の機は熟した

 人工知能(AI)がビジネスの形を変えつつある。ただし、その勢いは多くの人が思うほど猛烈ではない。

 たしかに、いまやAIは作物の収穫から銀行のローンに至るまで、あらゆる意思決定の指針を示している。完全自動の顧客対応のように、かつては夢物語だったサービスも現実味が増している。開発用プラットフォームや膨大な処理能力、データストレージなどAIの実現を支えるテクノロジーは急速に進歩し、手の届く存在になりつつある。したがって、企業がAIを活用する機は熟したといえるだろう。実際に、筆者らの推計によると、AIは今後10年間で、世界に13兆ドルの経済効果を与える見通しだ。

 しかしながら、AIにこのような将来性があるにもかかわらず、この分野における多くの組織の努力は実を結んでいない。