富士通グループの新会社として今年4月に誕生したデジタル・トランスフォーメーション(DX)支援企業、Ridgelinez(リッジラインズ)は、8月6日・7日の2日間にわたりオンラインイベント「TRANSFORMATION SUMMIT 2020」を開催した。期間中に行われた10のセッションの中から、Ridgelinez代表取締役社長の今井俊哉氏による「オープニング&キーノートセッション」と、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏、WiL共同創業者兼CEOの伊佐山元氏をゲストに招いた「スペシャルセッション」の内容を紹介する。
3つの領域のエキスパートが、変革をエンド・ツー・エンドで支援
イベント初日のオープニングを飾ったRidgelinez代表取締役社長の今井俊哉氏は、「変革創出企業Ridgelinezが描く、目指すべき未来と新しいDXのカタチ」と題して、同社のビジョンを説明しながら、企業が目指すべき未来について考察。デジタル時代の最新動向を交えながら、新しいDXの形を提示した。
冒頭のあいさつで今井氏は、「日本企業のDXをテーマに発足したRidgelinezは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりリモートでのキックオフとなったが、今日はこのような大規模イベントが開催できたことをうれしく思う。3000人を超える事前登録があり、身の引き締まる思いだ」と述べた。
新会社Ridgelinezは何を目指しているのか。同社のロゴマークには、「トランスフォーメーションライン」と呼ばれるS字型のラインがデザインされており、顧客企業が現地点から変革を経て、新たな未来へと進んでいく道筋を示している。

「ブランドロゴを検討するにあたって、2つのことを考えた。1つは、トランスフォーメーションは簡単ではなく、急な坂道や山道を登っていくようなものであるということ。もう1つは、日本発のDX支援企業として日本の歴史や文化に根差したものを取り入れたいということ。そこで、日本人が見て安定感を覚える1:1.414という比率『白銀比』を取り入れた」(今井氏)
ridgelineとは「山の稜線」の意で、変革のプロセスを稜線になぞらえた。「1つの稜線では、たどり着ける高さは限られるので、複数の稜線を重ね合わせる複数形とした。さらに『s』ではなく『z』としたのは、変革の最初から最後まで、A to Zでお手伝いするという意味を込めた」と今井氏は説明する。
DX支援にあたっては、戦略策定からビジネスモデル・ソリューション設計、業務プロセス・アーキテクチャー設計、オペレーションシステム開発、戦略実行、そしてエコシステムの構築・運用まで、まさに変革のプロセスをエンド・ツー・エンドで支援する。

エンド・ツー・エンドでDXを支援する
課題を構造化し、変革の戦略的ターゲットを設定する「Industry DX Strategy Consultant」、具体的なソリューションを考案する「DX Competency Consultant」、実装をイメージした具体的な技術を提案する「DX Technology Consultant」という3つの領域のエキスパートがチームを組成し、プロジェクトを推進していくのがRidgelinezの特徴だ。必要に応じて外部とのアライアンスも活用しながら、顧客企業の変革を実現する。