研究の概要

 マイアミ大学ハーバート・ビジネススクール教授のヘンリク・クロンクビストと同僚は、米国のCEOの社会経済的なバックグラウンドと、彼らが率いる企業の人事管理の慣行や方針──社員および労働組合による訴訟、労働安全基準、社員レビューに反映される情報──のデータを分析した。その結果、裕福ではない家庭で育ったCEOほど、従業員の待遇が悪いことがわかった。

 労働者階級出身のCEOは、労働者に優しくない方針を支持する、という結果に対してクロンクビスト教授に解説してもらった。

CEOの生い立ちが与える影響

クロンクビスト(以下略):この結論は一見すると直感に反すると思われるかもしれません。しかし、CEOの生い立ちの影響についてどちらの結論が出たとしても、実際には納得できる説明がつきます。