東南アジアのある銀行の行員が、レンタカー会社の従業員が自社の中古車を購入できる仕組みをつくりたいと考えた。しかし、銀行の単一のビジネスユニットではその仕組みを構築することができなかった。他の部門の協力を要請したが、既存の金融商品との兼ね合い、潜在的な事業リスク、規制上のガイドラインなどを理由に、動いてくれなかった。

 しかし、その行員の同僚が一肌脱いでくれたおかげで、会社全体にそのアイデアを知らせることができた。その結果、2つのビジネスユニットが問題解決につながる仕組みを共同で開発してくれて、当初のアイデアに沿ったサービスを提供できたのだった。

 新しい金融商品の成功は、この銀行員がインフォーマルな力を発揮して同僚の協力を引き出したことで得られた。正式な肩書きとは関係のないインフォーマルパワーは、リソースを獲得し、変革を推進して、自分にとってだけでなく組織にとっての価値を創造する。現代の職場では、インフォーマルパワーはますます重要になり、組織の中で地位を確保するためにますます必要な要素となっていくだろう。