「ITOKI TOKYO XORK」ABWの10の活動を実装するオフィス

生産性や創造性を最大限高めるために、ワーカーが業務内容に応じて時間や場所、相手を含む最適な活動を選択できる働き方戦略「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」が注目されている。新たな働き方への改革が喫緊の経営課題となる中、自社にとってABWが最適解なのか模索している経営者は多い。今こそ経営判断に必要となる要素のみを可視化するアセスメント手法が強く求められている。

 ABWは、1990年代にオランダのコンサルティング会社・ヴェルデホーエン(Veldhoen+Company)によって提唱された概念。日本では2019年にイトーキがヴェルデホーエンと協業契約を結び、ABWのコンサルティング事業を開始している。イトーキに働き方戦略(ABW)について話を聞いた。

 日本ではいまだ“フリーアドレス”と混同されがちだが、「ABWは戦略論であり、フリーアドレスよりもより広義な意味合いを持っているといえます」。

「フリーアドレスが自席のないオフィスの形状や運用を中心とした考え方なのに対し、ABWはワーカーが自身の業務を活動に分解し、それに適した場を選択しながらパフォーマンスを高め続けることを目的としたワークスタイル戦略です。だからこそABWを導入した企業では、ワーカーが企業や組織と信頼関係を築きオフィスも含めて自身で場や時間、コミュニケーションの在り方を選択して、仕事そのものをデザインできる。その結果、生産性が最大化するのです」

 ABWは、さらにエンゲージメント(組織に対する自発的な貢献意欲)を高める可能性も秘めている。イトーキの調査では、自己裁量の度合いが広いワーカーと狭いワーカーを比較すると、エンゲージメントの高さには1.5倍程度の違いがあったという。ABWは優秀な人材を獲得・確保することにも効果をもたらしそうだ。