『ボストン・グローブ』紙は20年前にカトリック教会の性的虐待というスキャンダルのスクープに手をつけ、のちにピュリッツァー賞を受賞したが、その活動の指揮に当たったのがマーティン・バロンである。
彼は記事の報道や執筆を直接行ったわけではないが、同紙の編集局長として卓越した事実の究明を導き、調査担当チームの意欲をかき立てた(その功績を称えた映画『スポットライト 世紀のスクープ』[注]では、リーブ・シュレイバーがバロンを演じている)。
バロンは2013年に『ワシントン・ポスト』紙の編集主幹に就任した。彼はトランプ大統領在任期間にわたり、「民主主義は暗闇の中で死ぬ」というスローガンを掲げ、彼の下で同紙は10のピュリッツァー賞を受賞した。彼は2021年2月末に引退した。