不公平という問題に
真剣に取り組もうという人々が増えてきた
企業の世界でDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)がますます重視されていることを、冷めた目で見ることは簡単だ。差別に取り組もうという試みは、真の変革より世論に囚われることが多い。ビジネスリーダーは、支持する声明はすぐに出すが、意味のある行動を取ることには反応が鈍い。流行語だらけのダイバーシティ研修にあきれているのは、あなただけではない。
それでも「Me Too」や「Black Lives Matter」などの運動を経験したいまは、楽観的になれる理由もある。多くの人が──おそらく大多数の人が──不公平さに本当に心を痛め、それに取り組もうという意欲を持っていることが、次第に明らかになっている。
こうした善意を、社会の力の構造を実際に変える流れに結び付けるためには何が必要だろうか。今回紹介する4冊は、女性や有色人種など過小評価されているグループが職場で直面する課題と、DEIを実現するために従業員やマネジャー、組織ができることに注目している(HBRは傘下の出版社の新刊はレビューしない方針だが、ジェイムズ D. ホワイトのAnti-Racist Leadershipとエラ F. ワシントンのThe Necessary Journeyは、書名だけでも挙げないわけにはいかない)。