PDCAを回しやすいプロセス重視の設計

 こうしたユニリタの知見とノウハウを凝縮し、同社がカスタマーサクセスで内製したツールをベースに開発されたのが「Growwwing」だ(図表1)。

 尾上氏はその特徴について、「顧客情報の一元管理や、データの可視化・分析ができる機能に加え、利用状況の変化に応じて『どんなフォローアップをすべきなのか』というタスクを自動生成するプレイブック機能を備えています。こういったカスタマーサクセスツールの基本的な機能に加え、さらにユニークな点は、サービス特性やカスタマーサクセスの成熟度に合わせて簡単に設定を追加できる柔軟性を備えている点です」と説明する。

 顧客ごとの利用状況や温度感の変化は、「カスタマーカルテ」という画面で俯瞰的かつ直感的に眺めることができる。分析に必要なデータを選定すれば、社内のさまざまなデータベースから自動的に集約されるため、必要な情報をうっかり見逃す心配もない。

 さまざまな顧客情報を一元管理できるのは、ユーザーのデータベースと容易に接続する「Growwwing Data Connect」(グローウィング データ コネクト)というオプションツールを用意しているからだ。GUIで設定ができるので、エンジニアでなくても簡単かつ低コストにデータ連携が実現できるのが特徴だという。

 また「Growwwing」は、施策の成果だけでなく、成果を得るまでのプロセスも可視化できる設計となっている。

「カスタマーサクセスの活動が、どれだけ解約率の低下やアップセル、クロスセルに結び付いているのかを分析できるので、PDCAを回しやすいのが他のカスタマーサクセス支援・管理ツールとの大きな違いです。分析結果をもとにプレイブックの内容を修正すれば、より効果的な施策がタイムリーに打てるようになりますし、無駄な工数を削減して業務を効率化することもできます」と尾上氏は語る。

カスタマーサクセスを起点にサービスの成長サイクルを回す

 ユニリタは、カスタマーサクセスの改善こそが、サービスそのものの成長サイクル(Service Growth Cycle)を回す大きな力になると考えている(図表2)。

 カスタマーサクセスの改善を重ねるため、プロセス重視で設計された「Growwwing」は、このサイクルを回すために最適なツールといえそうだ。

 カスタマーサクセスの定着とともにユーザー層は広がっており、SaaSを提供するスタートアップのほか、コニカミノルタなどエンタープライズ企業の導入事例も増えているという。

 尾上氏は、「主にB2B企業にご導入いただいていますが、今後はB2Cや、サブスクリプション以外のビジネスモデルを展開している企業にも活用していただけるツールにしたい」と語る。自社のカスタマーサクセスツールとして生まれた「Growwwing」は、これからも進化を続ける。

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