人間に焦点を当てた
新しいAIのアプローチ
数十万枚という全米フットボール連盟(NFL)の映像アーカイブの中から、特定の画像1枚を探し出さなければならないとしよう。1シーズンにおける試合の映像画像は、1万6320分(約680時間)以上だ。試合前、ハーフタイム、試合後のショー、練習、メディアのインタビューなどを含めると、その映像は無限といえるだろう。しかも、これは1シーズン分でしかない。
あらゆる素材からハイライト映像などを簡単につくるために、NFLは2019年12月にアマゾン ウェブ サービスと提携し、人工知能(AI)を使って動画コンテンツを検索し、タグ付けした。
まず、NFLのコンテンツ制作チームは、AIに何を検索すればよいかを教えることから始めた。次に、動画コレクションの中で識別したいすべての選手やチーム、ジャージ、スタジアムなど、視覚的に認識できるコンテンツについて、メタデータタグを作成し、アマゾンがすでに数千万枚もの画像で学習した既存の画像認識AIシステムに登録する。AIは、この2つのデータセットを用いて、ビデオライブラリー内の関連画像にフラグをつけられるため、コンテンツ制作チームは、2~3回のクリックで各タグを承認できる。