ビジネス環境の変化が
新しい分散型経営を求める

 このような、再度の分散に転じた背景には、「ビジネスの環境がより複雑に、そして変化の速いものになったことがある」と山本氏は分析する。そのため、「ビジネスアジリティ」(外部の素早い変化に適応する組織の変化能力)が求められるようになった。

「すべての意思決定を特定の個人や組織に集約していては、個別に異なる、しかも急速に変化する状況に対応し切れません。分散されているにもかかわらず、それぞれの機能が一定の規律に基づいて有機的に連携するには、関係者間での行動原則の共有がカギとなります」

 行動原則は、ビジョンやパーパスと呼ばれる上位概念から分解され、機能ごとの原則として確立される必要があり、行動原則への共感こそが機能間を束ねる暗黙のルールとなるという。

 では新たな分散の時代に、経営者にはどのような役割が求められているのだろうか。

「経営者のリーダーシップが大切であることは間違いありません。しかしそのリーダーシップの姿は、強い力で指示・強制・統制していくものというよりは、関係者の前向きな意識と互いの連携を引き出すコーディネーターのような姿となるでしょう」

 いまの社会は、これまでの“指示する者”と“従う者”という統治の構造を超えて、互いが互いを尊重した、よりフラットな形に移行しつつある。

「企業でも命令や統制以上に、ビジョンへの共感でつながったステークホルダー間の相互連携が統治原則となっていく」と山本氏は強調する一方、「現場が動くビジョンを語れる経営者はまだそう多くはない」とも指摘する。

 このような変革の流れの中で、LTSは“可能性を解き放つ”ことにより顧客に貢献すると、山本氏。

「当社のミッションである“可能性を解き放つ”は、企業が組織として持つ可能性を解き放つというだけでなく、そこで働くすべての個人の可能性をも解き放ち、企業業績だけでなく、より充実した個人の人生の幸せに寄与することも目指すことを表現した言葉です」

 LTSは、変化する組織と社会の有り様を見据えつつ、顧客とともに多様性と共感性を重視した新しい企業統治のあり方を模索していく。

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