CEOの私生活での活動は、会社での行動や意思決定にどのように作用するのか。研究者たちは近年、この問題に関心を寄せている。新たな研究では、リーダーの危険を伴う趣味が、重要なステークホルダーである銀行にどんな影響を与えるかを調べた。
研究者らは、1993~2010年に米国の大企業に対して行われた融資数千件を分析し、他の研究者の先行研究をもとに、どの企業のCEOが自家用飛行機の操縦ライセンスを保有しているかを特定した。このライセンスはリスクの高い行動の指標となり、潜在投資家によるデューディリジェンスの一環としてもしばしば見受けられる。
年齢、在職期間、また自信過剰といったCEOの特性と、創業年数、資産などの企業の特性、およびさまざまな経済状況をコントロールした結果、操縦ライセンスを持つCEOの企業は、負債コストが平均18ベーシスポイント(0.18%)高いことがわかった。これらの企業への融資は、より多くの条件が付加されており、担保を要求され、複数の銀行に分散している傾向が高かったのである。