SES(特定の業務に対して技術者の労働を提供する契約)や請負契約をいっさいやめ、派遣契約一本に絞ったのも「リソースを集中するため」だ。

 実際の選考に際しては、SPI(適性検査)によるロジカルシンキング能力やストレス耐性、コミュニケーション能力などを重視。さらに、難易度の高い研修を乗り越えられる情熱や向上心なども採用基準にしている。

 選考試験は四半期ごとに年4回実施。直近の試験(2022年6月)では約1500人の応募者の中から約60人を採用した(採用率は約4%)。

 派遣後は3カ月に一度、クライアント企業に「派遣社員のパフォーマンス評価」をしてもらう。クライアントが本人に直接言いづらいことも、しっかりフィードバックして改善しているため、契約解除は非常に少ないという。加えて、キャリアサポート部が派遣社員の相談対応や中長期的なキャリア支援も行っている。

価値向上や幸せにつながる
転職はむしろ推奨

 近年、ITエンジニアのキャリアデザインが多様化し、転職してキャリアアップを目指す人が増えている。せっかく育てたエンジニアが辞めるリスクをどうとらえているのか。

「当社は『ITエンジニアを1万人創出する』『ITでお客様の仕事を「楽」にする』『世の中のITエンジニアのキャリアハブになる』『仕事と人生の両方を「楽」しんでいるITエンジニアを増やす』というビジョンを掲げています。ですから、ITエンジニアを自社で囲い込むのではなく、派遣先などに転職することがITエンジニアとしての価値向上や幸せにつながるのであれば、むしろ転職を推奨しています。当社が育てた優秀なITエンジニアの転職はブランド力の向上にもつながります。それによって、キャリアチェンジを志望する応募者が増える効果も期待できます」(吉田氏)

 実際、同社でも5年程度経験を積み、転職を検討する人が増える一方、さまざまな現場で経験を積んでいくことを選択する人もいる。いずれにしろ、大手企業や技術志向の強いクライアント先で最先端の仕事に携わり、スキルアップできることが魅力の一つになっているようだ。さらに、ITエンジニアの転職を支援する人材紹介事業「RPエージェント」を2019年9月から開始。派遣事業で培ったノウハウを活かし、企業ニーズと各ITエンジニアが目指すキャリアとのマッチングを図っている。2026年3月期には人材紹介実績が250人に達することを目標に掲げている。このようにITエンジニアのキャリアハブとして人材紹介も行っており、不足しているIT人材の供給を通じて社会に貢献している。

 現在在籍しているITエンジニアは約680人。2025年に1500人、30年には5000人に増やし、CAGR(年平均成長率)25~30%を目指している。同社では社員一人ひとりのスキルや適性をしっかり把握しているため、クライアント企業のニーズにマッチした最適なエンジニアをすぐに派遣してもらえる。ITエンジニアの採用に苦労しているなら、自社採用にこだわらず、派遣社員を活用したIT業務の社内分業を検討してみるべきだろう。

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