□ある多国籍企業が綿密に作成した戦略的計画では、ヨーロッパに新しい製造設備を必要としている。しかし、ヨーロッパでは強力なホスト国政府が、必要な許可を与える前に、販売量、輸出量に非常に厳しい条件を付けている。

 □ラテンアメリカに進出している多国籍企業の子会社のマネジャーたちは、親企業によって定められた多国籍的競争戦略を履行しようとするが、しかしながら、ホスト国政府は、その子会社が自国の企業と合弁契約に入ることを要求している。

 この種の出来事は決して特殊なものではなく、また古くからみられたものでもない。1950年代、および1960年代に、ホスト国政府が多国籍企業の諸活動に対し、干渉することはほとんどみられなかった。しかしながら、1970年ごろから、ホスト国政府は、多国籍企業のマネジャーたちが行なう一連の戦略的自主管理を、著しく制限し始めたのである。