近親者の不慮の死に際して

 2020年4月、私は電話で近親者の不慮の死を知らされた。深呼吸をしようと外を歩きながら、悲しみに圧倒され、どうしようもなく涙があふれてきた。夜空を見上げ、何千光年もの彼方から誰かが見ている自分の姿を想像した。存在に関する神秘と不器用に格闘している、ちっぽけな人間。その想像の光景は、苦しみを煽るのではなく、乗り越える道を示してくれた。

 そして、無宗教の私がとても奇妙なことをした。膝を突き、こうべを垂れたのだ。涙を流しながら、自分には宇宙のルールなどわからないけれど、もう理解しようとしませんと宇宙に誓った。ただ従います、と。大学時代に読んだT. S. エリオットの詩の一節が頭に浮かんだ。「後は私たちには関わりのないことだ」