無礼な態度を経験すると、その後の仕事のパフォーマンスに影響を与えることは研究で明らかになっている。新たな研究で、そうした経験をすることで、認知バイアス、つまり判断の系統的な欠陥に影響されやすくなることがわかった。

 4つの実験において、無礼な会話を経験した、あるいは耳にした被験者は「アンカリングバイアス」に陥る可能性が高いことが示された。これは、ある話題について最初に得た情報に過度に依存してしまうというもので、その情報が無関係だったり間違ったりしていても起きる。

 最初の実験で行われたのは、麻酔科の研修医が、容体が不安定になった手術患者の治療に当たるというシミュレーションである。研修医たちには、患者の問題について、わざと誤解を招くような示唆が与えられた。