差別化戦略をたえず強化する

「差別化」は戦略の本質であり、競争優位の主な源泉である。単に価値のある仕事をするだけではなく、主要顧客に対して競合他社よりも優れたサービスを提供し、なおかつ収益性をより高めることのできる方法で競合他社と自社とを差別化してこそ、収益を上げることができる。

 差別化が高度になればなるほど、優位性は向上する。ここでは、テトラパック・インターナショナルを例に取ってみよう。

 テトラパックは2010年、世界170カ国で1500億個以上の容器を売り上げた。テトラパックの紙容器は、製品の長期保存を可能にし、冷蔵を不要にする。また、直方体やピラミッド型などの形状をしているため、ほとんどの缶や瓶よりもトラックや棚に効率的に積み上げることができる。さらに、ラミネート加工を施した同社独自の包装材を使用する包装機械は、乳製品の大量生産に適する。これらの3つの特徴により、テトラパックは競合他社を大きく引き離し、高コストを補って余りある容器を製造することが可能になっている。