ハーバード大学の成人発達研究は数年前、ウェルビーイングについてある結論に達した。人々を幸せで健康にするのは、お金や名声ではなく、人間関係であるというものだ。別の研究者らによる新たな研究は、それを補うものだ。人間関係の量や親密さだけでなく、その多様性もまた重要だという。

 研究者らは、8カ国の5万人以上を対象とした4つのデータセットを分析。生物学的な生態系の種を表すのに使われる「シャノン多様度指数」を応用して、人々の「社会的ポートフォリオの多様性」を測定した。すなわち、特定期間に交流したさまざまなタイプの人間関係の数と分布である。たとえば、米国民の代表的なサンプルの日常的な活動を詳細に記録した「米国時間利用調査」については3年分の回答を調査しているが、この調査で回答者は、いつ、どれくらいの時間、誰と何をしていたかと、健康状態や生活の質に関する質問に答えている。

 分析の結果、社会的ポートフォリオの多様性が、ウェルビーイングにおいて信頼性の高い予測因子であることがわかった。他の3つのデータセット(世界保健機関による世界の高齢化と成人の健康に関する研究、フランスのモバイルアプリユーザーのアンケート回答、米国居住者のアンケート回答)についても、同様の結果が得られた。