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あなたの会社の「知られざるヒーロー」はだれか
組織には知られざるヒーローがいる。それは、経営改善の新しいアイデアを組織に持ち込む人である。しかし、製品やサービスにイノベーションをもたらす人のことではない。もちろんこのような人々もヒーローの一人ではあるが、声高な称賛をすでに得ているものだ。
ここでいう、知られざるヒーローとは、たとえば知識資産をより上手に管理することで、競争優位を獲得できると信じ、「知的資本」という言葉を社内で最初に言い始めた人だろう。あるいは、あまりに危険回避的すぎる投資分析の対抗策として「リアル・オプション」のアイデアを最初に紹介した人だろう。またTQC(全社的品質管理)のアイデアを紹介したベテラン社員もそうだろう。
では、あなたの組織では、いったいだれがこのような知られざるヒーローなのか。だれかしら思い浮かべることができるはずだ。
アニュアル・リポートのメッセージに、業務プロセスの再設計、バランス・スコアカードによるマネジメントなどに関するコメントを盛り込むことを決めた時に呼ばれたミドル・マネジャー。eコマースを推進するに当たって、どのコンサルティング会社を使うべきかをあなたにアドバイスし、それぞれの会社の強みと弱みをすべて把握している切れ者の幹部社員。特別プロジェクトを実施するために戦略家が必要な時、あなたの頭に真っ先に思い浮かぶ人物。先日あなたが興味を示した事柄に関するカンファレンス資料を、たったいま送って寄越したマネジャーもそうだ。
このような社員がもっといてくれたらと願うものの、実際には社内にそう多くはいない。業績を上げたり、社員の士気を高めたり、組織を活性化したりするために、マネジメントにおける斬新なアイデアがこれまでにもまして重要な役割を果たすようになった現在、この種の人材は、これまで以上に貴重な存在である。
製品のイノベーションが簡単に模倣できるようになったいま、マネジメントのイノベーションが他社と差別化する重要な手段となっている。したがって、社内のアイデアマンの特殊な才能をフル活用するために、あるいは少なくとも彼らを社に引き留めるために、このような社員の育成にもっと力を入れなければならない。
アイデア・プラクティショナーの存在
我々は、その仕事柄、以前からマネジメントに関する新しいアイデアを組織に持ち込む人たちを観察してきたが、この2年間、このような人たちの研究に本格的に取り組んでみた。