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人的資本経営の実現を通して、持続的な事業成長を目指すべく各種人事施策を実行する企業は多い。しかしいま、それら施策が大きな成果につながらないと頭を抱えるケースが増えている。こうした悩みに陥らないようにするには、人的資本経営を“人事ごと”にしないことが肝要だ。“人事”と“事業”両方の視点から人的資本経営を実現する、電通グループのCHROおよび戦略人事チーム向けプログラムについて追う。

「人事変革の2周目の悩み」にどう向き合うべきか
「従業員が自発的にキャリア形成できるよう社内公募制度を導入したものの、まったく応募の手が挙がらない」「従業員エンゲージメント向上のための施策をいろいろ実行したが、スコアの向上につながらない」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)人材育成のための研修を導入して、多くの社員に受講してもらった。しかし、その後の成果の“手触り感”がまるでない」。最近、そんな悩みを口にする経営層・人事担当者が増えている。
組織の根幹を成す「人材」の育成・強化は、企業変革の要だ。人的資本経営の実現を目指すべく、人事施策にてこ入れした企業は少なくないだろう。
しかし、経営層や人事部門の強い思いとは裏腹に、打った各種施策が空回りしたり、部分的な成果に留まってしまったりするなど、組織全体にうねりをもたらすような「大きな成果」を生み出せないケースが多発している。
代表的なのが冒頭のような事例。「正しいはずの人事変革を一通り進めてきたけれど、人材成長につながっていない、という悩みを持つ人事担当者の方が本当に多いと感じています。我々はそれを“人事変革の2周目の悩み”と呼んでいます」(アイティアイディ〈ITID〉エグゼクティブ・コンサルタントの高橋舞氏)
こうした悩みはいったいなぜ生じるのか。次ページではその理由をひも解くとともに、2周目の悩みを解消して人事施策を真の人材成長と事業成長に結びつけるための、あるユニークなプログラムについて明かす。
意外にも、2周目の悩みを引き起こしている大きな要因は、経営層による変革ビジョンのアナウンス不足でも、人事施策の周知不足でもなさそうだ。変革下に置かれる従業員の「生の声」なども参考に、企業の発展にいまこそ必要な視点を探る。