“人”と“事業”に徹底的に寄り添ってきた電通グループ
サンリオでは、社長交代を機に新たに策定された「VMV」(ビジョン、ミッション、バリュー)に対する理解・共感の醸成に向けた変革コンセプトを開発。さらにVMVを日常業務に接続するための、人事や各部署との各種取り組みもサポートした。
また保証関連事業を手掛けるジェイリースでは、事業部門の従業員を巻き込みながら人事制度を再構築するプロジェクトを実現した。新制度を現場が納得できるものにするため、公募によって次世代を担う人材を集め、評価・等級・報酬制度の見直しに臨むタスクフォースを結成。結果的に新制度への従業員の理解が深まり、エンゲージメント強化や人材確保にまで貢献しているという。
「毎週数件のご相談が寄せられています」。若竹氏がそう明かすように、サンリオやジェイリースなどでの成功を追い風にして、電通グループへのクライアントからのニーズは順調に高まっている
ただし昨今はコンサルティング会社なども、企業の人事制度改革や人事施策開発のサポートを請け負おうと攻勢を仕掛ける。HR for Growthの競合サービスにない強みとは、どこにあるのか。
「いま求められる人事コンサルティングの価値は、既存の人事領域をはみ出した課題設定力と、それに対するアプローチ力であると思います。そういった期待値から、我々へのお声がけが増えているのかなと推測しています」(高橋氏)
実はHR for Growthにおいて電通グループは、他のコンサル会社には網羅できないほど幅広い価値や機能を提供することができる。根底にある電通グループの強みは、集約すると3つある。
1つ目はプロデュース力だ。顧客企業の事業成長のためのブランディング・コミュニケーション活動支援や、新商品・新規事業の開発支援など、事業現場における伴走経験が豊富にある。加えて、顧客企業内の複数の部門を調整・仲介し、一つの目的に向かってベクトルを合わせていくノウハウを所有している。
2つ目は、「人基点のマーケティングメソッド」(若竹氏)だ。データドリブンで人の心を動かし、行動変容につなげるという、対消費者で培ってきた「人基点」のマーケティングをHR(人的資源の活用)に応用。エンプロイージャーニーをベースに社員一人ひとりの意識変容や行動変容を促し、さらにはその先の事業成長への貢献にまでつなげる施策設計が可能だ。
3つ目は、グループ総合力である。人事コンサルとして実績を積んできたイグニション・ポイントや、国内2700社が導入する統合人事システム「POSITIVE」を提供し、人事データをフル活用するデータドリブン人事を支援する電通国際情報サービス(ISID)……。グループ会社の知見、製品、ソリューションを適宜組み合わせることで、事業成長に寄与する人的資本経営を実現するための人事の取り組みを支援できる。
事業部門と人事部門の接続を高めながら、人的資本経営を通して事業成長や企業価値向上という確かな成果に結びつける――。電通グループは唯一無二のやり方で、“人事”だけに閉じない経営視座での人的資本経営を推進し、企業変革完遂に向け顧客企業に伴走する。