先述した通り、既存事業の進化と新規事業の創造を両輪で進めるのが電通デジタル独自の変革アプローチだが、同社が支援するプロジェクトでは、新規事業推進チームに既存事業の各部署のマネジャークラスを兼務で参加させることがある。これによって、新規事業と既存事業の連携を深め、新規事業におけるチャレンジの成果を既存事業にクイックに取り込んでいくためだ。

　また、現場で変革をリードするミドルマネジャーを育成するために、既存の階層組織とは異なるバーチャル組織を組成することもある。たとえば、ある特定の課題を解決する組織のマネジャーとして必要な要件を定義し、それに合致する人材であれば既存組織では一般職であってもバーチャル組織のマネジャーに任命する。そして、必要な権限と予算を与え、電通デジタルが伴走しながら変革リーダーに求められるスキルや行動特性を身につけてもらう。

　ここで紹介したのは、電通デジタルによる支援実績の一端にすぎない。同社は実績を仕組みとして体系化した「NEST the Business Series」を事業開発のインハウス化サービスとして提供している。

　新規事業開発だけでなく、コア事業をイノベーティブな組織に変革したいといった課題を持つ企業にとって、電通デジタルは唯一無二の伴走者となりそうだ。