交渉の場で相手を欺く行為が発覚すれば、その結果は明白だ。では、気づかれない嘘の場合はどうか。新たな研究によると、嘘をつく人は、正直であるよりも有利な取引ができるかもしれないが、その経験に満足できない可能性が高く、そのようなネガティブな感情が波及することもわかった。

 研究者らは数千人を被験者とする4つの実験を通して、さまざまな交渉において、よい結果を得た喜びと、そのために不正な手段を使ったことへの罪悪感のどちらの感情がより大きいかを調べた。

 最初の実験では、被験者982人が買い手と売り手としてペアになり、欠陥のある中古PCの価格を交渉した。買い手の半数は、売り手に「PCをテストしたところ、すべて問題なかったようだ」というメッセージを送り、残りの半数は、PCがクラッシュし、新しいグラフィックカードが必要かもしれないと伝えた。