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完璧主義が広がる一方で
働き方を見直す動きも
マニシャ・タコールはみずから認めるオーバーアチーバー(能力に対して期待される以上の成果を目指す人)だった。幼い頃から教師にほめられようと必死になり、社会に出てからは上司に認めてもらおうと努力した。アイビーリーグで学んだ金融アナリストとして、職場の誰よりも長時間働き、ボーナスの最高額を競い、人間関係より仕事を選ぶことが多かった。
そして、著書MoneyZenで振り返っているように、さらに多くの成果を出そうという強迫観念に駆られていることに気づき、そこから抜け出そうとした。しかし、何年もの間、もがき続けるだけだった。
仕事上の完璧主義が、いくら成功しても十分ではないという思いが、私たちのウェルビーイングに大きな代償をもたらすことは知られている。成果を追い求めることが本能的なものであれ、外的要因に駆り立てられるものであれ、いずれもワーカホリズム(仕事中毒)につながる考え方で、ひいては鬱や不安症に発展する。