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トップマネジャーが、高いレベルで複雑な思考ができるなら、よりよい業績を上げることが可能だと、私たちは考えがちである。彼らが直面する意思決定の数と重要性を考えれば、情報を広く、深く探し求め、多様な視点と選択肢を検討する能力は有益であるように思われる。しかし、必ずしもそうとは限らない。
研究者らは自動言語ツールを使い、2004~2015年の四半期決算説明会におけるCEOたちの質疑応答に表れた、思考の複雑性を評価した。対象となったのは、S&P1500のうち1287社のCEO1864人である。各説明会の1年後の企業のROA(総資産利益率)を算出し、業界の状況を複雑性、ダイナミズム、そして豊かさ(必要なリソースの豊富さ)という3つの側面で分析した。
分析結果はまちまちだった。業界の複雑性が高い場合、認知的複雑性が平均より1標準偏差低い値から1標準偏差高い値に増えると、企業のROAは7.7%上昇した。