1899年、経済学者であり社会学者でもあったソースタイン・ヴェブレンは、「顕示的消費」、つまり地位や評価を得るために自分の富を誇示するという概念を提唱した。新たな研究は、それを控えたほうがよい状況を発見した。協力が重要な場合である。

 最初のオンライン実験では、世界中から募った被験者303人に「囚人のジレンマ」に基づくゲームをしてもらった。相互利益のために協力するか、自分の利益のためにパートナーを裏切るかというゲームである。

 被験者にはまず、パートナーがデザインしたと想定されるアバターを見せた。アバターの半数は高級ブランドのロゴが目立つシャツを着ており、残りの半数は無地の同型のシャツを着ていた。パートナーのアバターが高級ブランドというステータスを示す服装だった被験者のうち、ゲームを協力的にプレーしたのはわずか45%。一方、アバターが地味な服装の被験者では57%だった。