サステナビリティの成熟度は
4つのレベルに分けられる

 今日の大企業の多くは、気候変動や不平等、人権をはじめとするサステナビリティ重要課題に対する戦略の開発を進めている。現在の環境では、企業の取り組みが「グリーンウォッシング」であると非難されたり、「意識高い系」(ウォークネス)であると皮肉られたりすることも多く、そのような戦略の開発は複雑な仕事となっている。また、問題があまりにも急速に進展しているために、どれだけ優れた企業がどれだけ真剣に行動しても、なかなか十分なものとはならない。

 優れた戦略の取り組みはいずれもCEOが基本姿勢や方向性を示すことから始まるものだが、サステナビリティの取り組みで中心的役割を果たすのは、やはりサステナビリティの機能をリードする人たちだ。具体的には、サステナビリティ担当バイスプレジデント(VP)や最高サステナビリティ責任者(CSO)、ESG(環境、社会、ガバナンス)責任者といった肩書きを持つ人たちがそれに該当する。

 しかし、上層部によるリーダーシップだけでは十分ではない。サステナビリティへのフォーカスは、組織全体に埋め込まれる必要がある。調達やHR、R&D、財務、マーケティング、営業、顧客サービスといったさまざまな部門の人たちも、それぞれの役目を果たさなければならないのである。