業績の底上げに徹底貢献する「セールスコーチング」とは
「傾聴と承認は本当に大事です。昭和の無礼講じゃありませんが、部下は上司にいろいろ話すと、自分の考えをまとめることができる。カタルシスも得られます。しかも傾聴と承認は顧客ニーズの把握など、あらゆる場面で活かせるスキルです。コーチングで学んだ対話の重要性やノウハウが支店長自身の成長にも寄与していると感じます」
谷垣氏がそう語るように、かんぽ生命におけるコーチングの効果はたしかに表れている。顕著なのは冒頭のエンゲージメントスコアの上昇だが(下の図表を参照)、現場でも定性的・定量的な効果が徐々に確認されるようになってきた。「支店長がわざわざ現場を訪ね、真剣に話を聞いてくれるので嬉しい。自分が何をすべきか整理できた」といったプラスの意見が増え、営業のアポイントメント量が増加する例も出ているという。
「100年超の長きにわたり、日本の社会インフラを支えてきたかんぽ生命の実績に対する自信と誇りの回復。お客様からの信用を維持し、健全で適切な経営を確保するための営業力や生産性などの向上。社員がリスペクトし合い、自分や組織のために納得感を持って仕事に臨める文化の定着」――。
谷垣氏がかんぽ生命の社長に就任する際、社員に対して表明したそれら3つの決意は、コーチングの成果を追い風にして現実のものとなりつつある。

取締役兼代表執行役社長
谷垣邦夫氏
ただし、コーチネクサスジャパンとかんぽ生命がともに目指すコーチングのゴールは、もっと先にある。
プログラムは、かんぽ生命の“進化”に伴い順次更新しており、2023年度からは支店長に加え、一部のかんぽサービス部長にも直接的なコーチングプログラムを展開している。
業績や顧客満足度の底上げに本格的に貢献しようと、「セールスコーチング」の導入も始めた。「いまのお客様から、そのお子さん、お孫さんまで3世代にわたり取引を継続するにはどうしたらいいか」。個人向けの保険営業社員におけるセールスコーチングでいえば、そうした根源的なテーマを投げかけ、激しい環境変化や市場競争に直面する中でも持続的に成長を望める強い組織づくりのサポートに乗り出した。
コーチネクサスジャパンとかんぽ生命は、かんぽ生命の“完全復活”に向け着実に歩を進める。
【プロフィール】
◎谷垣邦夫(Kunio Tanigaki)
かんぽ生命保険取締役兼代表執行役社長
東京大学卒業後、郵政省(現総務省)入省。豊岡郵便局(兵庫県)局長や、出向によるカンボジアの国連平和維持活動への参画など、多岐にわたる経験の中で「真実は現場にある」との思いを強くした。日本郵政では経営企画部門が長く、中期経営計画の策定やグループ3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)の同時上場を担当。かんぽ生命、日本郵便、ゆうちょ銀行の副社長を経て、2023年より現職。
◎福留浩太郎(Kotaro Fukudome)
コーチネクサスジャパン代表取締役エグゼクティブコーチ
大学卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)入行。JPモルガン証券やドイツ証券などのManaging Directorを経て、2021年コーチネクサスジャパンの活動を開始。日本企業の競争力向上をミッションに掲げ、国際金融業界におけるトップセールス、マネジャーとしての経験をもとに、コーチングを活用した組織変革、業績推進、マネジメント能力開発に取り組む。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。
株式会社コーチネクサスジャパン
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