1|鳥インフルエンザの基礎知識
スコット F. ドゥエル(疾病対策予防センター 世界疾病調査官)
ジョセフ S. ブリーセ(疾病対策予防センター インフルエンザ疫学ディレクター)

2|鳥インフルエンザ対策はもはや待ったなし
ジェフリー・ステープルズ(インターナショナルSOS 首席医療アドバイザー)

3|鳥インフルエンザ対策チェックリスト
アメリカ保健社会福祉省(U.S. Department of Health and Human Services)
疫病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)

4|中国で鳥インフルエンザが流行すると――
ウェンディ・ドブソン(トロント大学 ロットマン・スクール・オブ・マネジメント 教授)
ブライアン R. ゴールデン(トロント大学 ロットマン・スクール・オブ・マネジメント 教授)

5|サン・マイクロシステムズのパンデミック・リスク対策
ウィリアム・マクゴーワン(サン・マイクロシステムズ シニア・バイス・プレジデント)

6|SARSの経験から鳥インフルエンザを考える
シェリー・クーパー(BMOファイナンシャル・グループ バイス・プレジデント)

【THE SCIENCE】
鳥インフルエンザの基礎知識
─How a Human Pandemic Could Start─

スコット F. ドゥエル(Scott F. Dowell)
疾病対策予防センター 世界疾病調査官

ジョセフ S. ブリーセ(Joseph S. Bresee)
疾病対策予防センター インフルエンザ疫学ディレクター

鳥インフルエンザが大流行するかどうかは予断を許さない

 現時点で鳥インフルエンザについて予測できることは、それが変異しやすいということである。だからこそ、保健衛生の当局者は固唾を飲んで、鳥インフルエンザA型(H5N1型)ウイルスの動向を見つめているのだ。

 このウイルスは鳥には感染しやすく、他の種にも広がっているが、いまのところ、ヒトへの感染力はきわめて小さいと考えられている。H5N1型ウイルスがヒトからヒトへと感染した例がないわけではないが、いっきに伝播するわけではないようだ。