元メジャーリーガーの投手バーノン・ローがこんなことを言っている。「経験は厳しい教師である。いきなり試練を与えてきて、それを乗り越えた者にしか教えてくれない」

 なるほど、そう考えれば米国大学協会が行った調査の結果を説明することができそうだ。この調査では、大学生の64%が自分はチームで働く準備ができていると答え、66%がクリティカルシンキングのスキルがあると考え、65%が文書によるコミュニケーションに長けていると答えた。

 しかし、大学生を雇用した側の意見を聞くと、いずれのスキルについても、大学生たちの自己評価に同意した雇用者は40%に満たなかった。経験の試練を経ていない学生たちは、自分のスキルのレベルについて、将来の雇用主による評価より、はるかに甘い自己評価をしているということだ。