リーダーにふさわしい話し方をするためには、何はともあれ、自信がありそうに見せることが肝心だと思っている人が多い。誰かを真似たり、自分を大きく見せたり、誰よりも大きな声で発言したりしなくてはならないと考えている人も少なくない。

 だが、それでは早晩「インポスター症候群」に悩まされ、常に緊張した戦闘モードでいることに疲れてしまう[注1]。そんな方法ではなく、自分の中にあるリーダーシップのさまざまな側面に日々磨きをかけ、真の自信を築くことが大切だ。リーダーたる者、置かれた状況や向き合う相手に関係なく、嘘偽りがなく、建設的で、効果的な対応ができなくてはならない。

 どんな時でも適切なリーダーシップを発揮するために、リーダーは何をどのように話せばよいのだろう。優れたリーダーが語るべきことを説明しよう。

自分のキャラクターに正直に語る

 何よりも大切なのは、自分のキャラクターに正直に話をするということだ。時と場合によって話す内容は違っても、そこには、あなたのキャラクターという芯が一貫して通っているべきである。

 それは、自分はどんな人間になりたいのか、他者と関わろうとする動機はどこから生じているのか、部下との関係で重視するものは何なのかという、人としての基本原則に基づいて語るということだ。