インフルエンサーは本当に売上げに貢献しているのか

 インフルエンサーマーケティングといえば、有名なセレブリティが自分では使わない商品を売り込んでいるというイメージを持っている人は、少なからずいるだろう。しかし、この業界はあなたが思っているほど一様ではない。キム・カーダシアンのようなセレブリティがいる一方で、何千人もの知名度の低いインフルエンサーが、D2Cマーケティングに劇的な影響を及ぼしている。

 企業はインフルエンサーに注目している。インフルエンサーマーケティング・ハブによれば、現在、米国に拠点を置く企業の24%が、マーケティング予算全体の40%以上をインフルエンサーに費やしている。22%の企業が予算の10~20%を、16%の企業が20~30%を、12%の企業が30~40%を投じている。これだけの資金がインフルエンサーに投入されているのだから、企業は彼らが売上げに与える影響を正確に把握していると思うだろう。

 しかし、ボッコーニ大学教授のマクシミリアン・バイヒャートらの研究で、フォロワー数の多いインフルエンサーに頼っている企業のほとんどは、売上げへの影響を把握できていないことが明らかになった。

 研究者らは、世界的な購買に関する二次的な販売データ188万1533件を調査し、欧州全土でフィールド調査を3件行って、有償のインフルエンサーが宣伝する広告数百件を調べた。その結果、フォロワー数が1万人以下のナノインフルエンサーは、50ドルの投資(彼らが無料で受け取る商品の標準的な価値)で1000ドル以上という驚くべき平均リターンを生み出していた。

 一方で、10万人以上のフォロワーを持つマクロインフルエンサーは、平均1000ドル以上の高額な報酬を要求するが、リターンは6000ドルにすぎなかった。

最善の結果を得るための4つのアドバイス

 バイヒャートは、インフルエンサーを使ったキャンペーンから最善の結果を得る方法として、以下の4つの助言をしている。

 インフルエンサーを選ぶ前に目標を決める

 商品の認知度を上げることや、ソーシャルメディアで閲覧を増やすことを望んでいるなら、著名人にブランドを宣伝してもらいたいだろう。セレブリティの投稿は注目を集めるのに最適だ。しかし、あなたの製品の情報が広く話題にならない限り、人々が投稿を見た後に何が起こるかはわからないのではないだろうか。