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マネジメント・イノベーションこそ求められている
あなたは、マネジメント・イノベーションの巧手といえるだろうか。組織、リーダーシップ、社内調整、動機づけなどの分野で、かつてない新しい方法を発見しただろうか。あなたの会社は、マネジメントのパイオニアといえるだろうか。斬新なマネジメント手法を編み出し、競合他社から羨望の眼差しを注がれているだろうか。
これらはどれも、大切な問題提起である。マネジメントのルールやプロセスを革新すると、持続性の高い競争優位を生み出し、競争地図におけるポジションを大きく変えることができる。この100年を振り返ってみても、企業の業績をかつてない高い水準へと押し上げたのは、何にもましてマネジメント・イノベーションである。
ところが不可解にも、マネジメント・イノベーションを何度も実現できるようなプロセスを築き上げた企業はほとんどない。たしかに大多数の企業を見ると、製品イノベーションについては何らかの手法を確立しており、少なからぬ企業が、最先端の科学を探究するR&D部門を擁している。
また近年では、ほとんどすべての企業がリエンジニアリングに着手し、スピードと効率を高めようと体系的に取り組んでいる。にもかかわらず、何よりも重要であるはずのマネジメント・イノベーションについては、そのような熱心さを示す企業はごく一握りにすぎない。何とも不可思議である。
では、なぜマネジメント・イノベーションがそれほどまでに重要なのだろうか。他のイノベーションとの違いは何か。どうすればマネジメント・イノベーションの名手になれるのだろうか。さっそく、最初の問いに挑みたい。
〈Why〉[第1の問い]
なぜマネジメント・イノベーションが重要なのか
ゼネラル・エレクトリック(GE)、デュポン、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ビザ・インターナショナル、リナックス。これらの企業が卓越している点とは何か。製品だろうか。それも一つの答えだろう。秀逸な人材だろうか。たしかにそうだ。それともリーダーだろうか。おおむね当たっている。しかし、より深く掘り下げると、これらが輝かしい実績を上げてきた本質的な理由が見えてくる。いずれも、マネジメント・イノベーションを得意としているのだ。
GEの場合