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【HBR CASE STUDY】
[コメンテーター]
フレッド・ハッサン(Fred Hassan)シェリング・プラウ 会長兼CEO
ナンシー・クリフォード・ビットマン(Nancy Clifford Widmann)エグゼクティブ・コーチ
エイミー・ドーン・コペラン(Amy Dorn Kopelan)ベドラム・エンタテインメント CEO
アラン・コーエン(Allan Cohen)バブソン・カレッジ 特任教授
ゲイリー B. ローズ(Gary B. Rhodes)センター・フォー・クリエイティブ・リーダーシップ 上席研究員
[ケース・ライター]
M. エレン・ピーブルス(M. Ellen Peebles)HBR シニア・エディター
*HBRケース・スタディは、マネジメントにおけるジレンマを提示し、専門家たちによる具体的な解決策を紹介します。ストーリーはフィクションであり、登場する人物や企業の名称は架空のものです。経営者になったつもりで、読み進んでみてください。
突如空席になった
北米担当社長の椅子
「ねえ」「おい」「ちょっと」──。マイケル・フェルドスタインがオフィスに向かってホールを歩いていると、あちこちからこんな言葉ばかりが聞こえてきた。彼は「まったく連中ときたら、先週まで何の話をしてたんだ。例の件について、どんな話があるというんだ」と自問自答した。
例の件とは、ラフルールSAの北米担当社長であるルシアン・ボーモンが、不可解にも突如会社を辞めたことである。
だれもが悪いほうに考えた。金銭面で不正があったのか。あるいは病気か。はたまた不倫の後始末のためか等々──。どぎつい内容の噂が飛び交い、猛烈な勢いで広まった。
また、退社の真相に比べればおもしろくないが、みんなをやきもきさせたのは、ルシアンの後任人事であり、その人選後の周辺人事であった。さまざまな憶測が飛び交うなか、だれもがうまく立ち回りたいと考えていた。