-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
経営陣が時間を浪費したツケ
隔週で開かれるA社の経営会議の数日前。CEOの秘書は、議題の提出を求めるeメールを各執行役員に送付する。すると、さまざまな議題が送られてくる。
人事担当役員は、間近に裁判を控えた、やっかいな年齢差別訴訟に関する最新情報について報告したい。ヨーロッパ担当シニア・バイス・プレジデントは、気がかりなヨーロッパにおける競合動向を検討したい。CIOは、サーベンス・オクスリー法に準拠するための計画の審議に時間を割いてほしいという。
事業部門のなかでも最大規模の北米事業部門マネジャーは、ファクトリー・オートメーション(FA)計画の大規模設備投資について説明しなければならない。
マーケティング担当シニア・バイス・プレジデントは、印刷媒体を使った大々的な広告キャンペーン案を数点、ほかの執行役員たちに見せなければならない。
かくいうCEO自身も、この会議で年度計画と予算編成の両方について、その作成プロセスの改革をスタートさせたいと考えている。
CEOの秘書は、届いた順に議題を並べ、その検討に必要な時間をそれぞれ推測して議事草案を作成し、CEOの承認を仰ぐ。CEOは、各議題の順序を多少変え、戦略上の問題に会議の大半を費やせるように、定例の業務上の議題を最初に持ってくる。