【パネリスト】
スコット・ベス(Scott Beth)インテュイット 調達担当バイス・プレジデント
デイビッド N. バート(David N. Burt)サンディエゴ大学 教授
ウィリアム・コパチーノ(William Copacino)アクセンチュア ビジネス・コンサルティング・グループ グループCEO
クリス・ゴパル(Chris Gopal)ユニシス グローバル・サプライチェーン・マネジメント 担当バイス・プレジデント
ロバート・ポーター・リンチ(Robert Porter Lynch)ウォーレン・カンパニー CEO
ハウ L.リー(Hau L. Lee)スタンフォード大学 教授
サンドラ・モリス(Sandra Morris)インテル バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネジャー

【司会】
ジュリア・カービー(Julia Kirby)HBR シニア・エディター

サプライチェーン・マネジメントの優先課題は何か

 近年注目されているサプライチェーン・マネジメント(SCM)は、ソフトウエアとシステムの問題である。最も優れた技術を導入しさえすれば、そのプロセスは円滑化され、大幅なコスト削減が実現できる。そのはずである。

 ならば、なぜジェフ・ベゾスはウォルマート・ストアーズのベンチを襲って、高額の報酬を約束してでもAクラスのロジスティックス担当者をアマゾン・ドットコムに引き抜いたのだろう。

 どうもSCMにまつわる課題は、技術にあるのではなく、人材にあるようだ。市場がますます複雑化するにつれて、なおさら人材が決め手となる。しかし、いったいどうすれば関係各位全員を巻き込んだ協力体制を構築できるのだろうか。

 これは生やさしいことではない。そこでHBRは、SCM分野における産学の権威を招いて座談会を開催した。やはりここでも、人材とリレーションシップの問題に話題が集中した。

 たとえば、実りあるアライアンスを結ぶのは複雑な仕事である。購買担当マネジャーは、サプライヤーからできるだけ有利な価格を引き出すことで成績が上がる。このような慣行は、長期的なパートナーシップという点ではマイナスである。

 ある参加者によれば、社内調整はさらに難しいという。部門間の壁がコミュニケーションを妨げ、効率を下げることは昔から知られているが、多くの企業はいまだにこの壁を崩すのに四苦八苦している。

 本座談会はHBRのシニア・エディター、ジュリア・カービーが司会を務め、適材の育成、CEOの役割、最新技術など、SCMにおけるさまざまな課題や改善機会について検討された。