人脈を広げることは創造的なアイデアを生み出し、仕事上の新たなつながりをつくるきっかけとなる。多くの企業において社外(オフサイト)での研修やイベントが開かれ、有能な従業員を交流させるのはそのためだ。しかし、そうした集まりは何らかの成果を生むのだろうか。

 新たな研究で、米国の大手法律事務所が2005~2012年に毎年開催していたオフサイトにおける交流のデータを調べ、出席者と彼らがその年に関わったプロジェクトについて調査した。

 研究者らは、全パートナーの報酬請求時間から誰が新しいコラボレーションに着手したかを明らかにし、オフサイトでの集まりの前後で仕事上の人間関係がどう変わるかを分析した。その結果、オフサイトでの交流によって企業内コラボレーションが大幅に増加したことがわかり、さらに、それは参加者だけに留まらなかった。

 オフサイトの後は、参加したパートナーのほうが新たなコラボレーションをより多く求めた。しかし、驚くべきことに、非参加者からの依頼も増えた。これは、企業がオフサイトを開催してコラボレーションを重視していることを示すと、組織全体が新たな関係を模索することを示唆していると、研究者らは説明している。