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サーベイの成否は調査設計にかかっている
従業員を対象としたサーベイや調査が企業にとって有用であることは間違いない。たとえば1990年代半ばに、通信企業のGTEは、送付済み請求書の精度調査を通じて部門ごとの請求業務の実績を評価した。
その結果、部門マネジャーのリーダーシップ・スタイルと請求業務には密接な関係があることがわかった。マネジャーの権限が強い部門のほうが、従業員の自主性が重んじられている部門よりミスが多かったのである。
トレーニングやグループ会議、ビデオなどを通じてリーダーシップの変革を進めたところ、調査の翌年にはGTEは22%も請求業務の精度を高めることができ、その翌年にはさらに24%も向上させることに成功した。
だが従業員への調査が、どれもこのように役立つ情報を提供してくれるわけではない。なかにはひどい失敗も起こりうる。
たとえば97年にユナイテッド・パーセル・サービス(以下UPS)はストライキで大打撃を受けたが、そのストライキが行われたのは、毎年実施しているモラール・サーベイで素晴らしい結果が出てから10カ月後のことだった。
調査結果によれば、総合的な従業員満足はきわめて高かったが、パートタイマーの増加に対する苦情が見落とされていた。しかしそれこそがストライキの主因だったのである。
このほか、調査そのものがトラブルを引き起こしたケースもある。