-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
「天才」は社会に必要不可欠である
社会が進歩するためには、天才の存在が必要不可欠である。天才は、秀逸な洞察力と想像力から「ひらめき」を生み、人々のライフスタイルや世界観を変える。
アレキサンダー・グラハム・ベル、ヘンリー・フォード、ジャック・キルビー、ロバート・ノイス(集積回路の発明者)のような天才がいなければ、電話、自動車、コンピュータといったイノベーションが生まれることはなかっただろう。これらの画期的な発明は、組織ではなく個人がつくりだしたものであり、それがもたらす利便性を認識したのもまた個人であった。
天才は、さまざまな分野に登場している。かつては芸術や科学の分野に限られていた。現在はエンジニア、デザイナー、アナリスト、そしてマネジャーにも天才は存在する。
しかし、先天的に素晴らしい能力を持っていたとしても、部下や同僚、上役に恵まれないこともある。天才はきわめて個性的で、周囲に厳しく、猛烈な利己主義者でもあり、チームプレーが不得手な人物も多い。
この意味では、彼らの内面は脆弱かもしれない。華々しく見える外面とは裏腹に、内心はとても傷つきやすいのかもしれない。
熾烈な競争が繰り広げられる21世紀に勝ち残っていくためには、このような問題を抱える天才と一緒に仕事をし、彼らをマネジメントする方法を学ばなければならない。
「マネジャーは天才とどう向き合えばよいのか」。本誌のシニア・エディター、ディアン・クーツはこの答えを探すべく、振付師そしてダンサーとしても有名なマーク・モリスを訪ねた。彼の自宅はマンハッタンにある。
天才の名にふさわしい人物がいるとすれば、まさに彼がそれに当たる。同年代の子供たちがぬり絵に興じている時に、彼はすでに振付師として頭角を現していた。