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企業の成長速度をマネジメントする
事業を始めるには資金が要る。事業を発展させようと思えば、もっと資金が要る。運転資金、設備投資資金、販売費・一般管理費(以下販管費)だ。このことは、だれもが知っている。
ところが、黒字企業でも成長を焦りすぎたばかりに、「商品は大ヒットしているにもかかわらず、手元資金が底をつく」ことがある。この点を理解している者は少ない。
したがって、成長過程にある企業経営者には、「資金を使うこと」と「資金を創出すること」の間で最適なバランスを取ることが求められる。
そのことに失敗すると、躍進中の企業でさえ、またたく間に倒産に追い込まれるという事態を招く。自らの成功の犠牲者、というわけだ。
幸いにも、現在のオペレーションで維持できる成長率を、簡単に計算する方法がある。逆に、成長を支えるためには将来どの時点でオペレーションを調整すべきか、または新たな資金導入を図るべきかもこれで判明する。
本稿では、企業の成長速度を管理するためのフレームワークを紹介する。このフレームワークで考慮すべき重要な要素は、次の3点である。
(1)運転資金の回転期間
企業が生産した製品およびサービスへの代金を受け取るまでに、棚卸資産やその他の流動資産というかたちで企業の資金が「寝ている」期間のことである。
(2)1ドルの売上げを得るために要する資金の量
運転資金と販管費が含まれる。