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世界中のリーダーが前例のない忙しさに追い立てられている。仮にリーダーシップを発揮できているという場合でも、前向きな変化を生む能動的なものではなく、起こってしまった出来事に対処する受動的なものになってしまっているのが現実である。
そんな対症療法的なリーダーシップを一新する方法として有効なのが、マインドフルネスの実践である。
私たちは、この古くから伝わる心の実践方法を、何千人ものリーダーに指導してきた。その経験を通して何度も実感したことは、マインドフルネスをていねいに実践すれば、起こった出来事(あるいは外からの刺激)とそれに対する自分の反応の間に、1秒の心の余裕を生み出せるということだ。
1秒などあっという間であり、それで何が変わるのかと思う人もいるだろう。だがそのたった1秒が、失敗に終わる性急な判断と、成功へとつながる思慮深い決断とを分ける。怒りに任せた行動と、冷静な忍耐による対処を分ける。
すなわち、1秒を確保することで、私たちは思考、感情、世界に振り回されることなく、みずから主導権を持って事に当たることができるのである。
研究によると[注1]、マインドフルネスのトレーニングを積むと脳の働きが変わることがわかっている。自分自身との向き合い方、他者との関わり方、仕事への取り組み方が変わることも明らかになっている。マインドフルネスに日々取り組めば、心のOSを根底から変えることができるのである。