「新・両利きの経営」を実現する次世代ERPの「PROACTIVE」

土井 一條先生の解説のおかげで、「新・両利きの経営」とはどのようなもので、いかに実践すべきなのかということがよく理解できました。

 実は、SCSKが提供する次世代ERP「PROACTIVE」は、まさに一條先生がご提唱されている「新・両利きの経営」に対応した情報基盤であるといえます。

「PROACTIVE」は1993年に誕生した国産ERPですが、2024年にリブランディングを行い、AIを中核に据えた新たな次世代ERPに生まれ変わりました。その特徴は、経営判断から実行までのプロセスを、すべて「人とAI」の共同で回し続けられる基盤であることです。

SCSK ソリューションコンサルティング部 土井明子部長

一條    具体的には、どういうことでしょうか。

土井 従来の意思決定は、経営者の直観や経験に大きく依存してきました。しかしグローバル経済の不安定化やサプライチェーンの分断、人手不足など、不確実性が高まる中で直観だけでは限界があります。

 新しい「PROACTIVE」は、「ABCD型の意思決定サイクル」(AI、BI、Check、Do)により、経営判断から実行までの流れを支援します。まず、AIが社内の基幹システムだけでなく、外部からも膨大なデータを収集、そのデータをBIで可視化・分析し、分析結果に基づく意思決定の内容を確認・判断(Check)したうえで、実行(Do)に移すという流れです。このサイクルにおいてAIからの客観的な助言が入るので、バイアスが抑制された、経営者の直観を補正するより確度の高いスピーディな意思決定が実現します。

菊地 新しい「PROACTIVE」には、もう一つ大きな特徴があります。それは、経営の高度化だけでなく、現場の業務効率化・自動化にもフォーカスしたERPであることです。

 AIが収集する社内データの量と質を高めるには、現場の社員が効率よく情報をインプットできる仕組みが不可欠です。それを支援するため、新しい「PROACTIVE」は現場によるデータ収集や整理もAIが支援する機能を整えており、現場の知見がそのまま経営判断に活かされるようになっています。

一條 経営と現場を一つの情報基盤で直結できるというのは、非常に重要なポイントです。エクセレントカンパニーと呼ばれる企業の多くは、経営と現場が一体化しており、それが競争力の源泉となっているからです。

土井 より具体的に主な機能を説明しますと、新しい「PROACTIVE」には、経営向けに「AIダッシュボード」と「AI分析プラットフォーム」、現場向けに「PROACTIVEコンシェルジュ」という機能が用意されています。

 通常ERPには、経営者が主要KPIのリアルタイムな達成状況を見るためのダッシュボードが用意されていますが、一般的なダッシュボードでは状況を見ることしかできません。その点、新しい「PROACTIVE」の「AIダッシュボード」は、数字を可視化するだけでなく、考えられる理由をAIが示唆してくれるのが大きな特徴です。

 一方、「AI分析プラットフォーム」は、経営判断に必要な外部の情報をAIエージェントに指示して収集・分析できるプラットフォームです。この2つの機能を使えば、内部と外部の情報を総合的に見ながら、迅速で精度の高い経営判断ができます。

 また、現場向けの「PROACTIVEコンシェルジュ」は、文字通りAIがコンシェルジュ(案内役)となって、従業員の方々のオペレーションを効率化、自動化する機能です。

一條 AIが経営判断をサポートする示唆を与えてくれるというのも、多くの経営者にとって非常にありがたいことでしょうね。経営判断において、何より経営者の直観が重要なのは言うまでもありませんが、AIがそれを補正すれば、より確度の高い戦略がスピード感を持って打ち出せるようになるでしょう。

 また、AIエージェントについては、すでに米国企業などが積極的に導入しており、ヒトとAIが業務を役割分担する動きが進んでいます。「PROACTIVE」のAIコンシェルジュは、そうしたAIの使い道を日本でも広げていくきっかけになるのではないでしょうか。

 人とAIが一緒に働く場合、個人がAIを使うケースと、チームを組んでその活動をAIがサポートするケースでは、後者のほうが圧倒的にパフォーマンスが上がることがIMDの実験でも明らかになっています。

 AIが組織の一員としてビルトインされるようになれば、新しい組織のあり方や、マネジネントのあり方が問われるようにもなるでしょう。そこで、いち早く理想の形をつくれるかどうかに、日本企業の将来がかかっています。

 新しい「PROACTIVE」を活用して、多くの日本企業が周回遅れの状況から脱することを期待しています。

土井 新しい「PROACTIVE」は、経営者の直観とAIの力を融合させ、経営と現場をシームレスにつなぐことで、日本企業が不確実な時代を生き抜くための実践的な基盤になります。我々は「周回遅れ」といわれる日本企業の現状を、本気で変えていきたい。そのために、SCSKは企業の持続的成長を力強く後押ししていきます。

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