1980年代には品質と製造面の優秀性が競争力の鍵であったのと全く同様に、1990年代には技術の卓越した商品化こそが死活的となるであろう。次の10年間には、企業の浮沈は自らの商業化努力を秩序立てるか否かにかかっているだろう。キヤノン、フィリップス、メルクのようないくつかの企業は、技術ベースの精妙な製品の商品化ということを純粋に直観的で創造的な過程としてのみ扱っている競争相手よりもより早く、より頻繁に市場に出す能力をすでに身につけている。となれば、他のおおかたの企業も、もし自らの繁栄を願うならば、そうした能力の育成を余儀なくされることであろう。

 過去1年にわたり、我々は米国、日本、ヨーロッパの、商品化における先導的企業と立ち遅れ企業の間の違いを検証してきた。我々の研究が見いだしたところによれば、先導的企業は、

□同規模の競争相手に比べて、新製品及び新製造工程の商品化の数が2~3倍である。

□製品に体現する技術の数も2~3倍である。

□一方、製品を市場に出す時間は半分以下である。

□そして、競争する製品、及び地理的市場の数が2倍ほどである。

 以上の差異は単に、特定製品の導入を反映した一時的な出来事でもなければ、一定の国に限られたことでもない。研究の見いだしたところによれば、ハイ・パフォーマンスの企業とロー・パフォーマンスの企業の間の決定的な違いは、

□長年にわたり維持されてきたものであり、

□米国、ヨーロッパ、日本でも同じくらい大きい、のである。

 研究の一部として、マネジャーらは、自分たちの商品化のプロセスを描き出すよう求められた。すると、ある興味深いパターンが浮かび上がった。商品化に優れた企業の場合、それぞれの組織ごとに特有のプロセスといったものは描き出されず、むしろ、