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A.T. カーニー(グローバルブランド名は「KEARNEY」)は、構想・戦略立案に留まらず、クライアントとともに「目に見える成果」を生み出すことを信条として誕生した、グローバル経営コンサルティングファームである。2026年に創業100年を迎える同社が関西再興へのコミットメントを宣言した。その起点は、「関西を変え、日本を変え、世界に貢献する」という一人のパートナーのパッションだ。大阪府門真市出身で関西担当パートナーの日山史巳氏とアジアパシフィック代表で神戸市出身の関灘茂氏は、関西の可能性をどのように捉え、その可能性をいかに解き放っていくのか。
100年変わらぬ「Essential Rightness」
戦略を描いても、実行フェーズで頓挫する──多くの企業が直面するこの課題に、向き合い続けてきたのが、A.T. カーニーだ。世界45カ国・地域に89の拠点を擁する同社は、2026年に創業100年という大きな節目を迎えた。日本においても半世紀を超える歴史を刻み、数多くの日本企業の創造と変革を支えてきた。
変化の激しいコンサルティング業界において、長きにわたり経営層から信頼され続けてきた理由はどこにあるのか。アジアパシフィック代表で日本法人会長を務める関灘茂氏は、その核心は「創業時から受け継がれるDNAにある」と語る。
創業者のアンドリュー・トーマス・カーニーは、1926年の会社設立当初から「Essential Rightness」(本質的な正しさ)という理念を掲げていた。それは、論理的に正しい戦略を提示することに留まらず、社会やクライアントにとって真に価値のある創造と変革を追求する姿勢を指す。「創業者は、現場の皆様と一緒に汗をかき、オペレーションを変革し、Tangible Results(目に見える成果)を生み出すことを何よりも大切にしていました。我々のDNAはそこから始まっており、いまなお揺らいでいません」と関灘氏は断言する。
同社を象徴する言葉に「Culture is Our Strategy」(文化こそが戦略である)がある。競合他社との差別化要因を問うと、関灘氏は「正直なところ差別化は考えていない」と前置きしたうえで、次のように続けた。「本質的な正しさを追求する姿勢を貫く。クライアント、業界、社会のありたい姿を思い描く。そこに至るまでに解決すべき問題・課題の一つひとつに真摯に向き合う。型にはまった解決策ではなく、テーラーメイドの解決策を見出し、実行していく。この基本動作を徹底する文化こそが、我々のこれまでの100年の歴史で形づくられた戦略なのです」
近年のA.T. カーニーが強調しているのが、組織としてのパーパスと、個人のパッションの融合である。採用時から昇進審査に至るまで、「自分は何者であり、仕事を通じて何を成し遂げたいのか」というパッションが問われ続ける。プロジェクトの組成や実行にどれだけ貢献していても、この問いへの答えが明確でなければリーダーシップチームには入れない。