技術が競争を加速するときに、技術に依存して競争することはできない。ましてや顧客ニーズが何であり、顧客が何を欲しているかを知るために、技術専門家に頼ることはできない。あなたの会社の研究者は卓越しているかもしれないが、彼はあなたの会社のエンジニアが次から次へと革新的な製品を市場に送り出すことに成功することを約束はしない。また将来の重要技術の育成に関して政府に頼るべきではない。

 以上が、この苛烈な技術の時代におけるビジネスの新しい原理である。この原理はごく当たり前の責任を意味している。しかしながら情報技術の機能的優位性を確保することは不可欠であり、マネジャーは市場を認識し、仕事を組織化することに基本的な責任を有している。技術上のスキルは、企業がなすべきことを正しく判断することである。しかし技術上の成果それのみが永続的な競争優位を生み出すわけではない。蒸気機関においてしかり、コンピュータにおいてしかりである。

 ゲームは戦略的なところで行われる。それは、成長を計画すること、仕事を統合すること、製品を媒介にして思考すること、人々をモチベートすることである。こうした原理を信奉するアメリカの経営者は、優遇税制やマクロ経済的な刺激策、貿易制限などを束にしたよりもアメリカの競争力の強化に貢献するであろう。

 HBRの読者の大多数が賛成すると思う。我々は、2年前に読者の考え方を調査した。本号では、最新の調査に基づく読者の判断を報告する。読者は、前回の調査と同じように、アメリカの競争力の失敗は主としてマネジメントの失敗であると主張している。このことはグッドニュースだ。マネジメントの仕方が問題であるとすれば、自らを省みるマネジャーが問題解決の始まりだからである。


(HBR 1989年11-12月号より、DHB 1990年3月号より)
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